sadadadの読書日記

読書した本のまとめ、読後所感、考えたこと



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宮本武蔵に学ぶ『究極の鍛錬法』

量が質に転化する法則は、物理学の世界では「相転移」と呼ばれています。これは、量的な変化が大きくなると、閾値(しきいち)を越えた瞬間に別の物質に変わることを指します。この法則は、何も物理学だけにおいてのみ作用する法則ではありません。普段の生活においても、学習の機会においても、この法則は適用できます。何もしてない人が成功することはありえないですが、コツコツ努力を続けている人が突然成功するのには訳があるのです。


五輪書 (いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ5)

五輪書 (いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ5)

  • 作者: 宮本武蔵,現代語訳・城島明彦
  • 出版社/メーカー: 致知出版社
  • 発売日: 2012/12/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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1 質よりも量を求めることで得られるもの

数をこなすことで得られるものは何なのでしょうか。それは、膨大な量の中でサンプリングの数が増えれば増えるほどに、その量の中である種の『流れ』を読み取ることが出来るようになることです。読みが効くようになれば、当然当たりも大きくなります。数をこなすことで得られる最大のメリットは『想定する力』なのです。

2 想定する力を活かすために

「トライ&エラー」を重ねれば想定する力を身につけることができます。どのように対応したらよいのかという、選択肢を事前に準備をすることができるようになりますし、緩急をつけて調整することもできるようになります。より上達すれば、時と場所を選んで価値そのものを変えるといったことも可能になります。量を重ねた人は『視える』のです。

3 量を追い求めるときに注意すべきこと

量を追い求める際には、注意すべきことがあります。ただ量をこなすのではなく、どのように量をこなすかということをを常に考えなければならないということです。悪い質のサンプルを重ねても、それは悪い癖をつけるだけで当然結果には結びつきません。当たらないやり方を繰り返しても当然当たらないのです。そのような時は一旦立ち止まり、サンプリングを変える必要があります。

4 達人は質を追い求め量を重ねる。

ああでもない、こうでもないと机上の空論で質にこだわる人は、質の高いものを生み出し続けることなどできません。小手先の技術で一時的に当たりを飛ばしても、それは表面を取り繕ったに過ぎないないからです。質の不足は本質的には量でしか補うことができません。量を追い求める人だけが本質に迫ることができるのです。

★ 量を質に転嫁させる究極の鍛錬法
1.まず出来るかどうかは置いておいてともかくやってみる。
2.失敗しても、しばらく続けてみる。
3.失敗の原因を突き止める。
4.どのようにすれば改善できるのかを考える。
5.考えたことをやってみる。
6.2に戻る。

量が質に転化したとしても、さらに量をこなし続けることで誰でも達人になることができます。ピカソも、エジソンも、マイケルジャクソンも皆、常人では到底考えられない量をこなしています。達人と呼ばれる域に達したとしてもさらに上を目指す、宮本武蔵はこう語っています。

千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を練とす
宮本武蔵