現代はモノを持たない方が豊かになれる - リカードの比較優位の原則
モノが無い時代は「沢山モノが有ること=豊かなこと」でしたが、最近では、安価にモノが手に入るようになりモノが自分を覆い潰すような状態になり、モノの多さが逆に窮屈さを生み出し、むしろ貧しくしているといっても過言ではありません。所有することに対する価値感は今も昔も変わりません。ですから、窮屈な貧しさからは脱するためにすべきことは、「いかに所有するか」が重要なのです。
- 作者: 橘玲
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/06/04
- メディア: 単行本
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選択と集中の本来の意味
ものが溢れるのは必要なものが選択されていないからです。「選択と集中」は「いいものを選び、集中させる」ことではありません。厳密に言えば「選択と集中」の意味するところは、「選ばないモノを決めること」なのです。選択肢はモノの数が増えれば増えるほど増えます。裏を返せば、持たないことを決めると選択肢そのものを確実に削ることができます。
『持たなくてもいい』を支える仕組み
「持たない」というのは、保険としての「持っておいたほうがいい」には絶対に勝てません及びません。ですから、『持たなくてもいいようにする』するためには『持たなくてもいい』を作ることが前提となります。つまり、いざというときの保険を上手に担保することができれば、身近に溜め込んでおく必要は無くなるのです。
今は何処にものがあることだけを知ればいい
普段の生活において、モノの流れはあまり意識することはありません。スーパーやお店にいけば当たり前のようにモノがあり、外出先でもスマホやタブレットなどを通じてボタン一つで何でも家まで届けてくれるサービスもあります。必要なモノを必要なときに利用するといったスタイルは大量の注文を効率的に受けるIT技術、機能的で巨大なバックヤード、強靭な流通網の発達により実現しているのです。
モノは使われるために存在する
ものを所有するということは、資産を時間的、空間的に固定化するということでもあります。買っても使われないものが存在するということは、使ったはずであろう人が使えない機会損失でもあります。使わずにしまっておくことこそ『もったいない』のです。使う予定がないなら買わない。買って使わなくなったら譲る。買ったけど使ってなかったら捨てる。ストックロスを極限にまで低減すること、そして流動性を上げモノの活用を促進していくことは、社会全体にとってプラスなのです。