なんだかんだいって体育会系が求められる理由
近年ますます効率を追求し、少ない労力で高い成果を得ることが美徳のように捉えられています。試験においても、最低限の勉強でよい得点、少ない投資で高い利益率、手抜きでお手軽なおいしい料理等、費用対効果を最大限に高めることがよいこととされています。そういったことを続けていくとどうなるのでしょうか。費用を差し出す体力そのものが低下し、持続力が失われ、粘り強く長丁場を戦い続けることができなくなってはいないでしょうか。
- 作者: マイケル・J・ロオジエ,石井裕之
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/11/21
- メディア: 単行本
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まず求められるのは量
体力は、どのような分野においても重要な基礎を作るのに必須の要素です。特に、知識や経験が浅い段階においては、何事に対しても体力勝負で望まなければなりません。行ったり来たり、振り出しに戻ったり、無駄な労力を繰り返して初めて、道は見えてくるものです。はじめから切り開かれた道を歩けるのは、学生時代だけです。社会に出れば、誰も歩んだことのない道を自分で歩いて行かなければならないのです。
量は必ず質に変わる
質の不足は量でしか補うことが出来きません。求められるのは、「トライ&エラー」を重ねられる粘り強さなのです。質を高めるのに必要なのはやはり量があってこそなのです。体力は量をこなすほどにつき、体力がついてくれば余裕が出てきます。そして経験を積めばつむほどにアウトプットは良質なものになり、そこで初めて質を活かした効率について語れるのだと思います。
技量と体力はトレードオフ
もちろん体力勝負ではいずれ限界に来ます。経験とともに質は向上しますが、年齢に伴って量をこなす体力の衰えはカバーしきれないのです。熟練したベテランは体力においては若者には敵わないため、質を活かして、量を補うしかないのです。つまり、質×量の最大値に保つためには、量を維持する必要があり、それを支える体力がなにより重要なのです。
体力は絶対に、あなたを裏切らない
量をこなし続けることができる人は質を限りなく高められる人です。悪条件や無理難題を乗り越えていくには知恵、技術も必要ですが、やはり粘り強い体力に他なりません。ピカソも、エジソンも、マイケルジャクソンも皆、常人では到底考えられない量をこなしています。彼らは天才と呼ばれる域に達しても、さらに上を目指し、量をこなし続けています。磨き上げた体力は絶対に裏切らないことを知っていたのだと思います。
『安定』とは、”与えられるもの”ではなく”創るもの”。与えられた安定ほど不安定なものはない。自分で創りあげた安定ほど盤石なものはない。
熊谷豪