記憶力を高めるためにすべきこと
一般的に記憶を蓄えるのはシナプスです。この神経回路は頭を使えば使うほど増えていきます。このシナプスが結ぶ回路全体が相互に繋がりあい、、複雑に絡み合っていればいるほど最適な解に至る道筋が強化されて記憶の容量が増えると言われています。しかし、いまだ容量の限界はどれほどのものかは解明されていません。人間の記憶の容量に限界はあるのでしょうか。
脳が冴える15の習慣―記憶・集中・思考力を高める (生活人新書)
- 作者: 築山節
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2006/11
- メディア: 新書
- 購入: 127人 クリック: 1,185回
- この商品を含むブログ (323件) を見る
1 記憶の種類
時間によって記憶のタイプは異なります。ごく短い時間だけ覚えている記憶を「短期記憶」、最近の記憶を「近時記憶」、数年前以上前の記憶を「遠隔記憶」と言うそうです。短期記憶は不必要であれば1分以内に消えます。この短期記憶はPCのワーキングメモリーと同様、会話や計算のために必要なことを記憶しますが、それも用事が済めば消えてしまいます。近時記憶と遠隔記憶についてはPCでいうハードディスクに該当します。いずれも思い出すのに時間が掛かるのはどこに保存したかを忘れているからです。
2 記憶力を高めるためにすべきこと1
記憶に対する容量は、記憶力が大きく影響します。記憶力とは自分にとって刺激的なフローをいかに繰り返したかで決まります。つまり、記憶を定着させるために重要なことは、自分にとって有用な情報を『すぐに利用できる状態に加工しておくこと』が重要なのです。それは自分なりに理解、解釈することを表します。鵜呑みにすると忘れやすいのはそのためです。
3 記憶力を高めるためにすべきこと2
知識自体が整理されることなしに保存されれば膨大な記憶が無用の長物になります。不必要なものをいたずらにプールすれば、どれが重要で、どの記憶が不要なのかがわからなくなるからです。煩雑さに埋もれてしまえばワーキングメモリーの機能も十分に果たすことはできません。そんな『不必要な記憶は整理する、また消去すること』に限ります。新しい記憶を受け入れる余地ができ、結果的に効率が上げるためには必要な部分以外は忘れることが重要なのです。
4 記憶力がいい≠いい人生ではない
人によって必要な記憶や必要でない記憶は様々ですから、どの記憶が大切なのかを判断して保存することを意識した方がいいと思います。どんなに記憶力が高くとも嫌な記憶に囲まれて過ごせば楽しくなくなります。アタマが混乱してイライラしないためにも不必要な記憶は加工して教訓化する、もしくは消去することが大切です。記憶を失うことを恐れるよりも、楽しい記憶だけを刻み込んでいくような『記憶の仕方』を考えた方が健康的です。次々と新しいこと楽しいことをインプットし続けることが記憶を増強していく秘訣であり、人生を楽しむ秘訣でもあるのだと思います。
老人になって堪えがたいのは、肉体や精神の衰えではなくて、
記憶の重さに堪えかねるとである。
サマセット・モーム