新人を迎えるにあたって知っておきたいメンタリングの基本的技術
最近流行の兆しを見せ始めたメンタリングですが、欧米ではメンタリングは既に初等・中等教育のみならず、大学や大学院でも広く導入され普及しています。さらにメンタリングは未経験の若者、新入社員に対しても個人のキャリア支援をする基本的な活動としても活用されています。私もあまり理解していなかったメンタリングの基礎についてまとめてみたいと思います。
- 作者: 福島正伸
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2005/01
- メディア: 単行本
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1 メンタリングとは
個性を尊重し、あらゆる将来の可能性を追求して未開拓の才能の開発支援するのが『メンタリング』です。自分の可能性について不安や疑問を持ちやすい特に新入学生、新入社員、未経験者に対しては、有効に機能すると言われています。
2 メンタリングの2つの機能
・人生設計支援:
自分が今後どのようなキャリアを重ねていくのかを個人、組織のバランスを考えながら調整する
・社会心理支援:
それぞれのキャリアに適応するまでの心理的、能力的なギャップをサポートする
3 メンターの意義
(1)メンターの仕事
メンタリングを行う人をメンターと言います。メンターはあらゆる面で高いスキルを持っている必要はありません。メンターの仕事は、メンタリングを受けるメンティの『スキルを統合的に判断する分析』と、『費用対効果の高い成長性を選定させて伸ばすように仕向ける』ことです。つまり、自分に何が得られるのかをメンティ自身に明確にさせて、動機づけをサポートすることです。
(2)メンターの役割
メンティに目標の設定させたり、何が期待されているのかを明確にしたり、経験不足のものにはロール・モデルを示して、段階におけるキャリアの基本的概念を説明したりします。また、ステップアップを行う際には、必ず壁にぶつかりますので失敗したときのカウンセリングや仲間との関係をサポートすることも重要な役割となります。些細なつまずきでもでも本人にとっては重要なこともあり、メンタリングはコーチングではカバー出来ない心理的側面からのアプローチも必要とします。
4 メンター側のメリット
メンタリングは実はメンター側にもメリットがあります。メンティの個々能力を引き出しての育てるといった教育的なスキルが身につくだけでなく、自分よりも専門的な能力の高いメンティを育てるときには自分自身の成長させることができます。その他にも、メンターとメンティのコミュニケーションが促進されることでチームワークが生まれ、周囲の環境改善にも貢献します。
5 メンタリングは『大人』の責任
この欧米の最新メンタリング技術というのは、実は、一昔前の日本の家族や私塾や会社の中にあった教えと似たり寄ったりな部分も多く見られます。私達が今メンタリング技術を必要としているのは、自主性を育てることに対する責任を背負う『大人』が昔と比較して少なくなっているからなのかもしれません。次の世代に対して責任ある大人になるべく、積極的にメンターして、メンタリングを通じて良い輪が広がっていくことを期待したいです。
弟子が準備出来た時に、師は現れる。
老子