当たり前に必要なのは「ありがとう」という言葉
当たり前が求められるところでは、要求を満たして納得するものを常に用意しなければなりません。そんな当たり前が前提になると、やって当然になります。もちろんミスをすることなど許されませんし、要求に常に答え続けなければ文句、謝罪、賠償を求められます。要求のハードルも際限なく上がり報酬も見合わず「尽くすこと」を求められれば、息苦しくなるのは当たり前です。当たり前が押し付けられれば苦しくなるのは『当たり前』なのです。
- 作者: デールカーネギー,Dale Carnegie,山口博
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 1999/10/31
- メディア: 単行本
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1 当たり前は誰が作っているのか
そんな当たり前の世界を『誰が』作っているのでしょうか。割に合わないサービスを際限なく享受しようとしているのは『消費する人』に他なりません。自分勝手な当たり前を押し付けて要求することでどれだけ周りに負担をかけているかを知る必要があります。当たり前でできた世界は世界を支えている人がいるからこそ当たり前の世界が回っているのです。支えている人を叩くことでは世界を崩壊させはすれど、維持することはできません。差し出すべきは要求ではなく、報酬なのです。
2 当たり前を支えるもの
市場原理では要求に答えようとすればするほどサービスを増え、報酬は増えなければなりません。賃金はサービスを受ける人が支払った報酬によって成り立っているので、支払った額以上に求めることは割に合わないことを要求しているのと同義です。そんな、理不尽を押し付けることを続けるから、支える側が苦しくなり続けるのです。裏を返せば『賃金は差し出さないなら、サービスは要求しない』ということを前提すれば世の中は上手く回り始めます。そして、サービスを支える報酬は賃金のみによらず、やりがいや使命感や道徳心によるところも大きいので、これを満たすために『感謝』をすることでより上手く回り始めるはずです。
3 当たり前は当たり前ではない
当たり前を押し付ければ、どんな理不尽な状況でも『当たり前』にしてしまいます。そんな際限の無い『当たり前』を押し付けあう世界にしてしまっては息苦しくなるのは当然なのです。そもそも市場原理に合わない当たり前は必ず歪みを生みます。ですから、まずは自らの態度を疑い、割に合わないことを要求している自分を見直すことが大切です。そして、割に合わないことをしてくれる人に感謝することです。金銭的な報酬は差し出せないにしても、精神的な報酬は誰もが差し出すことができるはずです。
4 ありがとうが世界を支える
当たり前の世界を保つために誰かが、誰かのためにサービスを提供していかなければなりません。要求を声高に叫ぶよりも、出来る限りの報酬を渡しましょう。そうすることで要求と報酬のバランス関係がとれ、正当に報われる環境を作ることができるのだと思います。その環境を作るのは、あなたの財布もそうですが、なによりあなたの一言です。『いつも支えてくれて、ありがとう。』
あなたに、ありがとう。今年一年に、ありがとう。
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牛丼屋で接客の達人のおばちゃんに会った - G.A.W.
牛丼屋で接客の達人のおばちゃんに会った - G.A.W.(via Hatena::Bookmark::24H) - 明日は明日の風が吹く