嫌儲を捨てれば世界は変わる
今、経済状況の不安定さから嫌儲思想が日本を覆いつくしています。この嫌儲思想は他の人が儲けることが許せないというもので、この思想に侵された人は自分の損得を度外視しても、相手が不幸になることを望み行動するそうです。人間ですから、恨み、妬み、嫉みの感情を完全に廃することは難しいですが、それらの感情が持つデメリットを知れば嫌儲に対しての考え方が変わると思います。
- 作者: 橘玲
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2010/09/28
- メディア: 単行本
- 購入: 22人 クリック: 1,025回
- この商品を含むブログ (119件) を見る
1 嫌儲が生まれるわけ
嫌儲の考え方は平等思想が大きく影響しています。機会の平等と結果の平等を履き違えて、平均値を求めるところから嫌儲は生まれているのです。この思想が蔓延ればリスクを取ってのリターンが平等に分配されるので、だれもリスクを取る発想がなくなります。当然、誰も進んでリスクをとりにいかないので現在の蓄財を食い潰すことになります。だんだん苦しくなってきたところでリスクをとってでも抜け駆けする人が出てきて当然です。しかし、彼らはそれも許さないのです。
2 嫌儲思想が失うもの
嫌儲の思想は全員が苦しくなろうとも関係なく、とりあえず平等であることが望ましいという社会主義の末期思想に他なりません。生産性がマイナスであろうが、恨み、妬み、嫉みの精神であらゆるものを巻き込んでいきます。本来なら再配分に必要な原資を蔑めば、自らに還元される分も小さくなることぐらいは理解できそうなものですが、そういったことには気も留めないのです。しかも、その富を小さくする行為に、一生懸命自らの労力を差し出すので、本来自分が生むはずであった逸失利益も相当なものになります。つまり、嫌儲の考え方は百害あって一利無しなのです。
3 嫌儲な人の行動例
嫌儲思想が広がれば、暗い醜い苦しみのスパイラルに嵌りこんでしまいます。互いの足を引っ張り合り合い、何もできない、何もさせない状態で我慢比べをしていることを望むのは誰のためにもなりません。沈んでいくのはそこにいる全員であることを認識しなければなりません。
- ★嫌儲な人の行動例
1 相手が得になることを極端に嫌い、何もさせない。
2 自分が損をすることを極端に嫌い、何もしない。
3 相手を信用せず、参考にしない、参考にさせない。
4 変化を嫌い、現状を維持する。
4 嫌儲を捨てれば世界は変わる
裏を返せば、嫌儲を捨て去れば負のスパイラルは逆回転をするということです。豊かさが豊かさを生み出し、その周辺を底上げするばかりか、再配分によって枠組みの中にいる人全員が潤うことになります。そして、新しい機会を得られた人も、さらなる幸せを生み出していくという正のスパイラルに変わっていけば、世界は変わり始めます。すべきことは嫌儲を捨てることなのです。相手が幸せになることを許容するだけでいいのです。嫌儲思想を持たない人の周りには常に笑顔があります。好儲には好儲が集まり、富には富が集まってくるものなのです。
- ☆好儲な人の行動例
1 相手が得になることを喜び、何でもさせる。
2 自分が損をすることを気にせず、何でもする。
3 相手を信用して、参考にして、参考にさせる。
4 変化を気にせず、現状を変える。
嫉妬はつねに他人との比較においてである、比較の無いところには嫉妬は無い
ベーコン