反応をまとめたものには価値がある
誰もが同じ知識、技能、考え方を持っているということはありえません。ですから一つの事象が発生したとしても意見が様々に分かれることは大いにありえます。さらに、認識が異なれば事象について話し合うにしても伝えたいように伝わるということは難しいことですし、汲みとってもらうことを期待すると大きな誤解を引き起こす原因にもなります。そんな認識の差を埋めるためにはどうすればいいのでしょうか。
スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則
- 作者: カーマイン・ガロ,外村仁解説,井口耕二
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2010/07/15
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1 自分の考えは考えられているのか
そもそも自分の頭もまとまらないうちに話し始めると自分自身が何を話しているのか分からなくなります。とりあえず自分の中で『まとめる』という行為がなされなければ、事象に対する自分の認識すら掴めていないことになります。まずはこの自分が理解しているかどうかを認知することが必要なのです。そのためにすべきことは、頭の中だけで処理しようとしないことです。頭で解釈したものを一旦目の前において、再度見直すといった行為を繰り返すことで初めて自分の認識が深まっていくのです。
2 考えはインーアウトのバランスでまとまっていく
読んだり、聞いたりしたことを、書いたり、話したりすることを繰り返していくと自分の中に明確なものが出来上がっていきます。こういったインプットとアウトプットを繰り返すことで自分の中の知識、経験、考え方が暗黙知として組み込まれていきます。こういったインプットとアウトプットのバランスは自分の認識を深めていく上で重要なことであり、それを伝えるうえで崩れれば以下のような人になります。
- インプット>>アウトプット
柔軟性はあるが具体性がないため、何が言いたいのか分からない。
多くを理解しているが伝える力がない。
- インプット<<アウトプット
具体性はあるが柔軟性がなく同じ事を繰り返す。
伝えることはできるが理解していること自体が少ない。
3 コミュニケーションは考えたことを交換すること
コミュニケーションとはそういった考えたことを交換することです。それは自分自身のなかで行うコミュニケーションも含まれています。自問自答、自分との対話はまさにその典型です。そういったことを繰り返していくうえでまとめられた自分の考えというのは自分の信念にも通じるものがあります。そういった信念はお互いにとって信頼に足る要素であることは間違いありません。有意義な意見交換にするためにはお互い自身を知らなければなりません。そこから初めて互いの距離を知ることができ、そこからどこまで歩み寄れるかを確認することができるようになります。まず、すべきはインプット=アウトプットしながら自分自身をまとめていくことなのです。
人に何かを教えることはできない。
ただ、その人が自分の中に何かを見つけるのを手助けすることはできる。
ガリレオ