貯めることができるのは効果的に使うことを知っている人だけ
人々がなぜ貯蓄するのでしょうか。それは社会が激しく流動化し、自分の将来の見込みが立ちづらくなっているからに他なりません。いざという時に備えて生活を支える『貯蓄』は、心理的な支えになるものです。貯金とはただ金を貯めることはなく、未来の自分に、より多くの時間と自由を与えてくれる「貯蓄」は文字通り「財産」に変わるものなのです。そういった財産を築き上げるためにはどうすればいいのでしょうか。
- 作者: 横山光昭
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2010/08/20
- メディア: 単行本
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1 貧者の視点
貧しい人は、目先の損得に目を奪われがちです。一時の感情に押し流されて衝動的に消費したり、逆に価格などに執着して細かく帳簿し、買い時をひたすら待って、底値を狙って消費したりします。そういった一時的な満足を満たす浪費や、節約のために一連の手間暇の浪費をものともしません。自分の行動自体を合理性に置き換えて見ることをしない。これが貧者が貧者である理由です。
2 富者の視点
富裕層に倹約家は多いといわれますが、合理的な行動を行っているだけに過ぎません。彼らは無駄な浪費を避けるために、費用対効果のものさしを明確に規定しており、合理性の高いサービスや商品を選んでいるだけなのです。つまり、自分にとって合理性を支える要素が何をを知っており、その基準に従って行動しているから自然と貯まるものが貯まっていくのです。彼らにとって大切にしているのは、いかにして貯め込むかではなく、いかにして効果的に使うかという視点です。
3 経済的合理性を考える基本的な4要素
1 手間
2 時間
3 ストレス
4 満足感
これらの4つの要素と自分のとっている行動とを天秤にかけていけば合理性を保つことが出来ます。これらの要素を解消していく方向に進めれば必ず貯蓄することができるようになります。
4 貯蓄するために考えるべき事
貯蓄している人は、さらに合理的に時間と自由を求めて行動しますので、深く考えなくとも自然と貯まるものが貯まっていきます。「貯めること」が出来る人は、すでに人一倍「貯めている」人なのです。裏を返せば、誰でも合理性を意識付けていくだけで貯めることができるようになり、より時間と自由が得られるようになるということです。そのためには、まず自分の価値を知ることから始めましょう。そして、身の丈にあった生活をしているかどうかを確認しましょう。自分自身に真摯に向き合い、そこから自分の価値を少しでも高めていく行為だけが、貯めていくための唯一の王道であることを胸に刻みましょう。
お金で成功する秘訣は、使った残りを貯金するのではなく、
貯金した残りを使うことである。
ロバート・G・アレン