貯めることばかり考えている人が貧しくなる理由
1年間で100万円貯蓄する方法、簡単お手軽節約術等などあちこちに貯めることを推奨する記事は常に人気を集め続けています。貯めることの重要性はアリとキリギリスでも語られています。社会が激しく流動化し、自分の将来の見込みが立ちづらくなっている時にはやはり頼れるのは貯蓄だけだということなのでしょうか。確かに、いざという時に生活を支える貯蓄は、心理的な支えになります。しかしながら、貯めることそのものが目的になってしまえば、失うものもあることは知っておいた方がいいと思うのです。
- 作者: 藤川太
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2012/07/10
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貯蓄の目的
貯蓄は、未来の自分に対してより多くの時間と自由を確保するためにするものです。何かトラブルがあったときというのは、それに対応するだけの時間と自由が必要になります。だから、貯蓄が必要だということになるのです。貯蓄の目的はトラブルがあったときのみに限定されるものではありません。より、自分らしく生きるため、満足を満たすため、誰かを支えるため等、未来の自分の時間と自由を確保するためでもあるのです。
貧しい人と富める人の考え方の違い
貧しい人は一時的な衝動による浪費や、価格のみに執着して節約のための手間暇の浪費をものともしません。目先の損得に目を向けて、自分の行動自体に費用対効果、合理性等の基準がありません。一方で富める人は、消費に対して明確に基準をもっています。自分に対して合理性があれば高価なサービスや商品を選んだとしても、それは決して浪費にはならないことを知っているからです。合理的な行動を行えば、自然と貯まるものです。大切にすべきは、いかにして貯め込むかではなく、いかにして効果的に使うかという視点です。
より賢く消費するための3要素
1 手間(労働コスト)
自分がかけられる手間は限られています。消費にかける労力には生産性はありません。自分の手間を省くための消費は積極的に行うべきです。
2 暇(時間的コスト)
一日は24時間しかありません。消費にかける時間は貯める時間を奪っているともいえます。時間を考えた消費は積極的に行うべきです。
3 ストレス、満足感(精神的コスト)
自分の感情に揺さぶられて、あれこれ迷っている手間、暇はそれ自体が消費されています。うまく、感情をコントロールして、必要不必要の判断は合理的な基準に基づいて早期に実施すべきです。
貯めてる人は、貯めようとしていない。
すでに貯蓄できている人は、より貯蓄できる環境を構築していきます。ですから、深く考えなくとも自然と貯まるものが貯まっていくのです。裏を返せば、貯蓄できない人は、より貯蓄できない環境を構築していくとも言えます。貯蓄できていなくて、いまから貯蓄をしたいと思うなら、まずは自分の考え方を改めるべきです。より時間と自由が得られるように、まず自分の価値観を見直してみましょう。自分自身に真摯に向き合い、自分自身の価値を高めていく行動を選択することこそが貯めるための王道なのですから。
多くを欲する者はつねに多くを必要とする。 ホメロス