渡邉美樹が語る「ボランティアはさせてもらうものである」の意味
ボランティア活動は多くを求められますが、それを続けることは非常に難しい現実があります。なぜなら、ボランティアを維持するためには、ボランティアを提供する人に余裕がなければならないからです。そんな余裕は、ボランティア以外のところから引っ張ってこなければなりません。差し出すものに余裕がなければ続けることが難しくなるのは当然です。
- 作者: ジョン・C・マクスウェル,渡邉美樹
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2010/12/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 5人 クリック: 55回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
1 偽善的なボランティアほど続かない
ボランティアは基本的に献身的な精神に基づくもので成立しています。そんな献身的な精神を持ち続けるためには、清貧の発想は継続することができません。特に偽善的なボランティアは、一時的なパフォーマンスで終わってしまうことが多いのは、それを維持するコストがバカにならないほど高いからです。何のためにボランティアをするのか、ボランティアしなくてもいいようにするためにはどうすればいいのかを考えずしてボランティアは成り立つはずがありません。ボランティアは継続してこそ意味があります。一過性のブームで終わってしまうようでは、その活動もたいしたものにはなりません。
2 ボランティアを続けるために
ボランティアは基本的に貧しい人を相手にします。自分がいくら富めるものであっても、貧しい人に対してサービスを提供し続ければ、自分自身が貧しくなってしまいます。ですから、身の丈に応じたボランティアを展開し、その品質を管理し、追求していく必要があるのです。ボランティア活動はビジネス活動よりも過酷な条件をクリアしなければなりません。ボランティアは、その活動自体が消費的なものであり、広がりを持ちにくいものです。継続させるための一番のボトルネックは、ボランティア自体が支出ありきであることが一番の原因なのです。
3 ボランティアすることで得られるもの
そんなボランティアを支えるためには支える人、物、金が必要です。ボランティアには献身的な活動だけでなく、自己満足を満たすための活動や、自己アピールするための活動も存在します。考えるべきは、そういった人たちを上手に取り込み、精神的な対価を含めて適正な価値交換をしていくことです。ボランティアの目的を達成するためには、なにより自律した仕組みを構築する必要があるのです。そういったプロセスから学べることは多いです。ボランティアすることで得られるもの、それは何より自分が社会に対して何ができるかを学べることなのだと思います。
ボランティアは、何かをしてあげることではない。
ボランティアは、何かをさせてもらうことである。
渡邉美樹