sadadadの読書日記

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続けていくことを考えない人が世の中を苦しくしていく - 自分だけよければいいが崩壊するとき

行政や福祉サービスに対する無駄やバラマキは常に指摘されていますが一向に改善される気配はありません。そもそも行政や福祉サービスは経済活動の余剰によって賄われているので、これが肥大すればするほど、民業が圧迫されて苦しくなるのは当たり前の論理です。そんな無駄はなくならないのは、よくよく考えてみれば理由はすぐに分かります。行政や福祉サービスの活動を求めている人がいるからに他なりません。様々な要求に応えるためにサービスを拡大させて巨大化しているのは、民そのものにあるとも言えるのです。民意は無駄を求めている隣の人にも一票を与えています。根が深いと思われるこの問題に解決策はあるのでしょうか。

行政ってなんだろう (岩波ジュニア新書)

行政ってなんだろう (岩波ジュニア新書)

1 改革が進まないわけ

改革はいつも要求されますが、行政サービス自体をなくすことを求められることはありません。多くのサービスを求めながら、一方で費用を抑えよという相反する要求を常に求めている民の要求を満たすためには、執るべき道は効率を上げることしかありません。しかしながら、行政は民間とは異なり、すべてにおいて法が定める通りに実行しなければなりません。改革を進めようにも市場原理が働かず、その変革ためのコストは常に法律に縛られた形で、行政自身が搾り出すことになります。だれも自ら進んで行政改革を行わないのです。それが組織の論理なのです。

2 行政は今も昔も変わらない

もともと行政、福祉サービスは利潤が出しにくい分野にたいして税金で賄われる必要があると認められたものに対して行われています。ですから、行政、福祉に無駄ということはありえないのです。つまり国に対して多くのことを求めれば求めるほど無駄は増えて当然なのです。当然、その無駄は国民が支払うべきものという前提を忘れてはなりません。そもそも既存の行政、福祉サービスに対して市場原理を求めること自体が無理なのです。もしそれが、求められるならを行政、福祉サービス自体を旧国鉄、日本航空、郵便局のように市場原理を持ち込める民間に払い下げればいいのです。わざわざ利潤を生み出すことができるものを国営にする必要は何処にもありません。民と官で戦ったら効率では民が圧倒しますが、税金で支えられた官に勝てるはずがありません。

3 打ち出の小槌は何処にもない

結局、行政ができるのは継続した成長のためのバランス調整だけなのです。。理不尽な要求をすればするほど、どこかの誰かの負担が増すだけです。需要と供給、生産と消費、納税と還付は一致していなければ継続することができないのは普遍の真理です。打ち出の小槌など世の中には存在しません。叩くべきは、不公平な天秤である法律です。それを定めるのは民意が選んだ代議士であることを忘れてはなりません。国会が空転しているのも、その裏に潜む民意の利害が空転しているからなのだと思います。

4 変わるべきは誰か

不合理さは埋め合わせるためには、無駄な仕事が必要です。憎むべきは非生産的な仕事なのです。最低限の生活を保障すること、そしてリスタートのためのセーフティネットの必要性は誰も疑いません。しかし、それが不公平を生んでいる状態であるならば、その隣で負担する人の苦しみは増すばかりという事実は変わりません。『変わるべき』を『誰か』に押し付ければ、不合理な仕事は増え続けます。それぞれが、それぞれの立場でおかしいと感じたことを直していく、そんな責任ある行動こそが生産性のある継続した社会を作っていくのではないでしょうか。

世の中には、働いていること自体がみんなの負担になっている人が多い。
ただお金をもらって、社会的には意味のないことをしている人がたくさんいる。
堀江貴文