自分は変える必要がない
一生懸命やっているのに成果が出ないときは誰にでもやってきます。そんなときに、努力が足りないということで量を増やしても疲労が貯まるだけであまり成果は挙がらないものです。成果があがらないのには理由があります。そのほとんどが『関係』によるものです。外的な影響で上司と部下、営業と顧客、先生と生徒等などの関係が変わってしまうことで、成果が急に出なくなったりするのです。その変化を認めずに今までの自分に固執すればますます成果は出なくなり、泥沼に嵌ってしまうのです。
- 作者: スティーブン・R.コヴィー,Stephen R. Covey,ジェームススキナー,川西茂
- 出版社/メーカー: キングベアー出版
- 発売日: 1996/12
- メディア: 単行本
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1 周囲の期待に答える人、自分の期待に答える人
- 周囲の期待に答える人
期待に答えて信用を獲得していけば、「あなたならこういうことも出来るはずだ」と、より重要な、より広い範囲の役割を求められるようになります。その役割に答えていけば、ますます高い信用が得られます。そうなってくれば、どのように関係が変わったとしても、自分から動くことは少なくて済むようになります。すでに周囲が望むアウトプットの範囲を自分の能力が包括していることが多いからです。当然、信用もその高い能力に裏打ちされればすぐに得ることができます。
- 自分の期待に答える人
期待に答えずにいれば、信頼はどんどん薄れていきます。求められるアウトプットに対して、いい加減なことをしたり、見当違いのことをしていたり、期限を守れなかったりと、要求を満たすことができなければ、任せられる役割がどんどん小さくなっていきます。とうぜん果たせる仕事の内容も陳腐なものになり、自分の望むアウトプットからはどんどん離れていくことになるのです。関係が変われば、自分から動かなければならない範囲も多くなり、それでも自分に拘るようではますます信用は失われ、最終的には『切られ』ます。
2 成果が出ないのは成果の出ないことに拘っているから
自分が考えるアウトプットと周囲が望むアウトプットにズレがあれば、何を出そうが認められるものではありません。ズレを無視して求められるものとズレた範囲で努力を重ねても仕方がないのです。まずはズレを確認し修正することです。ピントを合わせてそれを実行していくことだけなのです。誤解していただきたくないのは、そのズレを埋めるということは自分の本質を丸々変えてしまうということでは無いということです。人は誰しも考え方に癖を持っています。自らの思考、行動、反応パターンは、この癖よってに大きく影響をうけています。ですから考えるべきは自分の癖を認知し、アウトプットするときにその行動パターンを周囲の求めるものに併せてアレンジすることが重要なのです。
3 自分は変える必要がない
周囲の要望に合わせて、自分の行動を変えていくことは、自分にとっても周囲にとっても悪いことではありません。一貫性の無さや八方美人を指摘されるかもしれませんが、それは自分の中にある能力が至っていないことを指摘されているだけです。変わらないことを守るために癖に囚われていては、むしろ自分勝手さを助長するだけで信用も、成長の機会も失われてしまうことになり本末転倒になります。余程のことが無い限り自らの思考、行動、反応パターンは大きく変わることはありません。自分を変えてでも、自分が果された役割を果たす気概は必要かもしれませんが、ほとんどの人は見せ方を変えるだけでいいのだと思います。
人は変わらざる中心がなければ、変化に耐えることができない。
変化に対応する能力を高める鍵は、自分が誰なのか、
何を大切にしているのかを明確に意識することである。
スティーブン・R・コヴィー