大人は質問に答えない
子供は分からなければすぐに答えを求めて問いただしますが、大人は問いに対して、すぐには答えません。答はあるのに、答えないのにはかならず理由があるからです。子供は、はぐらかされたり適当に答えられて憤る前に答えたくなる理由を作る必要があります。その理由を無視して自分勝手に問いを続けても『本当の』答えなど得られるはずはありません。子供は、何故大人が答える理由がないかぎり答えないのかを考える必要があります。
本物の大人になるヒント―知っておきたい「良識ある人間」の考え方
- 作者: 曽野綾子
- 出版社/メーカー: 海竜社
- 発売日: 2008/04
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1 答える義務を主張するのは子供
質問に対してとぼけたり、答えないことが悪いことのように考えている人は多いと思います。それは昔から、質問に誠実に答えることは正しいことと教わってきたからです。それを利用しているのかどうか分かりませんが、最近の報道では答えを出させるために誘導的な質問がなされています。揚げ足をとることをあからさまに狙っている質問に対して、答えなければ隠していると疑わしいレッテルを貼り付けることで、自分の得たい答えを無理矢理「答えさせる」ような風潮すらあります。しかし、どう考えてみても自らすすんで足を差し出すようなことをする人はいません。答える義務を主張しつづけることでは、作られた答えに誘導しているに過ぎません。そしてそれは、ますます真実から遠のかせる行為に他なりません。果たして、それは大人のすることなのでしょうか。
2 大人は曖昧を許容する
子供は必ず白と黒に分けたがります。理由は白黒はっきりさせることで善と悪を明確に区別できるからです。しかし、何もしない、何も出来ない真っ白な人は責任を持ちません。完全無欠であることを求め、こうあらねばならないといったコドモな概念は責任がないからこそ主張できるのです。大人はそんな完全無欠な善人は八方美人にしか過ぎず何も行うことなどできないことを知っています。そして多少、黒くなろうが清濁併せ呑まなければ前進できないことも知っています。そんな大人に対して子供な質問することは果たして意味のあることなのでしょうか。
3 大人は質問に答えない
物事は必ず良い面と悪い面を持っていますし、状況や時代が変わればその良い面と悪い面も変化したり、入れ替わったりするものです。その時々で責任をもって判断し実行していくためには、そんな物事を丸抱えするしかありません。それは必然的に良い面と悪い面を背負うことを意味していますし、背負わなければ責任など果せません。大人はそんなグレーゾーンを抱えながら忍耐と柔軟性を持ってうまくやりくりしているのです。というより、目の前の曖昧さを利用して事を推し進めることこそが大人の信用そのなのだと思います。大人は簡単には質問には答えません。答えさせるためには質問する側の大人な態度とそれに答える理由が必要なのです。
- 大人は質問に答えたりしない 利根川幸雄
無論中には質問に答える大人もいる。しかし、それは答える側にとって都合がいい内容だからそうしているだけであって、そんなものを信用するのは、つまりのせられているってことだ。何故それがわからない。質問に答えることは容易い。しかしオレがそんな話をしたとして その真偽はどうする。真偽などどうでもいいから聞きたいと言うか。おまえらに裏を取る術はない。結局はただ妄信的に信じるしか道は無いのだ。逆境無頼カイジ DVD-BOX (5枚組)