sadadadの読書日記

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制度疲労が多数の反面教師を生む - 反面教師から学ぶ9つの型

自分が目指したいと思える人が身近にいないことはよくありますが、逆に将来なりたくない人は沢山います。世の中には「反面教師」と呼ばれる教師が沢山いるのです。反面教師に対して怒りや諦めの感情を持つことは致し方ないことですが、拒否したり避けてしまってはある意味もったいないです。反面教師も『教師』なのです。言葉の意味通り自身の戒めとして自分に活かしてこそ今後の自分のためになるのはもちろんのこと、反面教師の行動基準をより深く分析することで彼らの思考が見えてきます。あちらこちらでウヨウヨしている『反面教師』を活用しない手はありません。

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

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1 反面教師の9つの型

  • 1 感情先行型:感情が先走り、議論にならない。
  • 2 正義追求型:正論を掲げて、自己満足に陥る。
  • 3 調整不能型:極論に走り、コトが進まない。
  • 4 モノクロ型:偏見が酷く、何を見ても色眼鏡がかかる。
  • 5 過去哀愁型:過去の成功経験を語り、何でも当てはめようとする。
  • 6 激辛評論型:悪いところに着目できることがえらいと考えている。
  • 7 絶対安心型:リスクを過大に評価して何もしない。
  • 8 責任回避型:犯人探しで問題解決すると思っている。
  • 9 唯我独尊型:自らが無知であることを自覚していない。


彼らは、あなたから見て、やってはいけないことを、あなたの代わりに実践してくれているとも言えるのです。そんな彼らからより多くの教訓を得るためには、反応だけに終わらせるのではなく、その行動をつぶさに観察し、自分の行動に活かすことが重要です。なぜそうしているのか、なぜそうせざるを得ないのかが見えてくれば、適切なタイミングで持ち上げて上手く操縦することも可能です。反面教師は調理次第で教材となりえますし、教材も自らの陳腐さの改善を試みるようになれば真の教材に生まれ変わる可能性もあるのです。

2 反面教師を反面に扱う意義

基本的に反面教師は虚勢を張っていることが多いです。肩書きと能力の乖離が大きくなれば、自らの不足をなんらかの形で繕わなければなりません。そういった姿が反面教師として出てきているに過ぎないのです。この乖離は自然淘汰という形で是正されてしかるべきですが規則や規制で護られているところでは動かしようがありません。だからこそ、彼ら反面教師が反面教師である理由を使わせてもらうことには意味があるのです。それは自分にとってだけではなく、反面教師自身にとっても有意義に働き、さらにそれらを縛る規則や規制についての有効な提言にもなるのです。

3 考えるべきは反面教師が生まれる理由

適正な評価することは本人にとっても能力を肩書きに近づけるために必要不可欠です。反面教師はなるべくしてなったわけではありません。ほとんどが、体制不備、制度不備によるところが大きいのです。つまり、ある意味で彼らも犠牲者なのです。ですから、彼ら自身に喰ってかかっても内輪もめに終わるだけで、本質的な問題解決に繋がることはほとんどありません。敵は『制度そのもの』なのです。ですから、考えるべきは「あいつのようにはならない」ではなく、その先の「あいつに何が不足しているか」、「あいつはこうした方がいい」でもなく、「自分とあいつが活きるためにはどう有ればいいか」なのです。

4 制度疲労は反面教師の調理で解決する

そう考えられるようになると以前は嫌いな存在だった人が、制度不備を表す「ありがたい存在」に変わっていくはずです。敵を見誤りさえしなければ、解決しない問題に向き合い続けることもしなくてよくなるので精神的なストレスも軽減するはずです。反面教師に振り回されるイライラに耐える労力を、その状況を変えるために費やすことでを建設的で健全な環境を作ることができるようになります。そういった行動をそれぞれの立場で行っていくことが反面教師を真の教師に変える手立てであるのだと思います。鍵を握るのはあなたの『調理』の腕次第です。


善人は不善人の師なり、不善人は善人の資なり。
老子

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