速さはすべてに勝る - 速さを身に着けるための5つのルール
時間をかけてじっくりやることは誰にでもできます。ただ、速さを意識しない人はパフォーマンスが非常に悪いということを認識しなければなりません。ああでもないこうでもないと試行錯誤を繰り返している間に好機を逃して、時代遅れの答えに努力を重ねる結果になります。日進月歩の情報化が進んだ今の時代に学歴、資格、技術があっても『速さ』がないのは有る意味で致命的ともいえます。遅ければ何事も後手に回り、やるべきことが級数的に増えて手に負えなくなります。
- 作者: 椋木修三
- 出版社/メーカー: 経済界
- 発売日: 2004/11
- メディア: 単行本
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速度が落ちる理由
昔と異なり、大卒が溢れている今では既に知識が豊富な人が揃っているわけで、その知識を活かす場が存在しないというより足枷になっていると言わざるをえません。現場に頭から飛び込んでいく行動力や、状況を見て感覚で判断する嗅覚は、有る意味で『バカ』にならなければできないところがあるからです。しかも、最速を求めるなら脊髄反射でなければならず、いままで蓄えた知識を、極限にまで感覚に落とし込む必要性があります。頭で考えることが優先されて、手先指先に対して技として落とし込むことや、五感を使った反射的な反応を軽視されるから速度が落ちるのです。
速度を上げるためにすべきこと
速さを鍛えるためにはには絶対量が増やすことに他なりません。絶対量が増えれば、必然的に経験値が増えます。知識が経験になり技能になります。最初は確かに無駄は多いかもしれませんが、慣れることで徐々にスピードが上がっていくはずです。頭で考えていることを、すばやく行動に写すためには繰り返す絶対量がなによりも必要なのです。無駄が嫌なら机の上で知識をつけてもいいと思います。ただ行動に無駄を無くすなら、結局その知識を技能に落とし込むために量をこなさなければなりません。量をこなすことにも速さがあれば、賢くなる速さも人一倍です。机上の空論を並べたものよりも、地べたを這いずり回った実践的なもののほうが役に立つことは間違いないのはその証左です。
速さを身に着けるための5つのルール
1 決めてから考える
目の前にあるものは全て頭から行うことにする。途中でボリュームが変わったり、横槍が入ったりして数自体が増えたり減ったりしますが、基本的に目の前のことを処理することを最優先に行う。有る程度、落ち着いてきた段階で一旦ストックを確認して、ざっくり順序を入れ替えて、また目の前にあるものの処理をすることに専念する。
2 事前にアラートを鳴らす
目の前の処置に集中していると、連絡調整やストックの締め切り等のデッドラインに気付く事ができない場合があります。そのときのために順序を入れ替えるときに併せて事前にアラートを仕掛けておくことです。要すれば、順序の入れ替え時に調整等を一気に済ませてしまう。そうすることで、常に目の前の処理に専念できる環境が構築できます。
3 判断する必要がないものは定型化しておく
同じ作業を繰り返すようなものはフォームを作って迅速に処理できるようにしておく。考える必要がないなら誰か他の人に頼むか、機械やシステムに置き換えて任せてしまう。そうすることで、自分が本来すべきことに集中できるようになります。
4 完璧を求めない
パレートの法則にもあるとおり、20%の力で80%の仕事を行うことができます。その残りの20%を埋めるには80%の力が必要です。妥協を許してはならない仕事もありますが、それ以外の仕事を80%に仕上げるためにする時間を割いてまで行う必要性があるかを考えると、すべてを20%の力で並列に処理していく方が、より多くのことを処理できます。単純計算で80%×(100÷20)=400%なのですから4倍の仕事量をこなすことができます。
5 精度を調整するのは推敲
スピードを落とさないことを最優先で考えるとどうしても雑になりがちです。しかし、道半ばで都度手直ししているとああでもない、こうでもないがすぐにはじまってしまいます。速さにたいする最大の敵は「迷い」です。この迷いが生じた時点でスピードは極端に落ちます。この迷っている時間には何の生産性もありません。さっさと決めて前に進むことのほうが経験値が増えます。きちんとした形にするのゴール手前でいいのです。あまり出来てないものよりも完成に近いものをカスタマイズする方が簡単です。
成果は、「選択肢の正しさ」では決まらず、「選んだあとの行動」によって決まる。
伊藤 喜之