複雑さと重要性は、割り当てた時間の長さに比例する
『パーキンソンの法則』をご存知でしょうか。英国の歴史学者・政治学者シリル・ノースコート・パーキンソンが提唱した法則です。パーキンソンの法則は、英国の官僚制を幅広く観察した結果に基づく法則で、一般的には『余剰は使い切るまで使い続ける』という基本原則から成り立っています。そこから、どうでもいい物事に対しても重要視をし始め、仕事のための仕事を作り出す心理を解析しています。
パーキンソンの第一法則:「仕事の量は与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」
パーキンソンの第二法則:「支出の額は収入の額に達するまで膨張する」
- 作者: C.N.パーキンソン,森永晴彦
- 出版社/メーカー: 至誠堂
- 発売日: 1996/11
- メディア: 単行本
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1 複雑さと重要性は、割り当てた時間の長さに比例する
この法則はあらゆるところに適応することができます。考えれば考えるほど仕事は増えていくのですから仕事は自然と膨張するものだと考えなければなりません。パレートの法則 - Wikipedia にもあるとおり20%の労力が、80%の結果を生んでいます。つまり自分のどの20%が、80%の結果を生んでいるのかを見極めることがパーキンソンの法則から解放される有効な手段になります。不要な80%を大胆に切り落とすためには、かなりの度量がいりますが、時間を使うには値しないと覚悟を決めて割り切ることで多くの成果が得られるなら考えてみる余地はあるはずです。
2 無駄は管理しなければいつでもどこでも膨張する
当初は意味があったものでも、時代とともに必要性が薄れることは十分にあり得えます。実行してみたものの、思ったほどの成果が上がらなかったということも良くあることです。定期的に足元の業務を見つめ直し、撤退を決めて、再度別の分野に指向させたり、組み直していくことが為されなければ、すぐに仕事や組織は大きくなり、掌握する事項が増え管理、統制が取れなくなります。その隙を突いて見えないところで手抜きや腐敗や汚職が進みます。つまり、個人の自覚に委ねて管理しない、できない構造やシステムがパーキンソンの法則を生む大きな原因なのです。
3 制限の活用法
重要なことにより多くを割くためには、『制限』を設けることです。制限には時間、予算、人間、やること等、ありとあらゆるものが該当します。効率化は『もしも』を考え始めたら絶対に達成できません。リスクの見積もりは当然すべきですが、過大な見積りで多くの資源を費やすことにメリットはありません。限られた資源を『やりくり』しながら有効に使うためには効果的だと思われるところにいち早く取り組み、成果を再度資源に組み入み活かすといったサイクルを早くしていくしかありません。有る程度までサイクルが回ればまた余裕が出てきますので、新たな制限を設ける必要が出てきます。有る程度のゆとりは必要ですが、そのゆとりも管理しながら、制限を繰り返してパーキンソンの法則を乗りこえるための努力をし続けることが贅肉を筋肉に変えるために必要なことなのです。
複雑さと重要性は、割り当てた時間の長さに比例する。パーキンソン