sadadadの読書日記

読書した本のまとめ、読後所感、考えたこと



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疑問を感じない人には何も学べない

前者が学ぶ姿勢、後者は教えてもらう姿勢です。そもそも「学ぶ」の語源は「真似ぶ」です。学ぶことは相手の言ったこと、やったことを真似ることから始まります。当初は技術的に鵜呑みにしなければならない部分もありますが、真似ようと思った動機の主体性は受身ではありません。真似できない部分や、なぜそうするのか理解できない部分については質問しなければなりません。自分の身にするためには疑問を解消しなければならないので質問するしかないのです。教えてもらう人には、そういった疑問がありません。話を聞いても、自分の身にしようとする気がないから、話半分で終わっても構わないのです。

人を動かす質問力 (角川oneテーマ21 C 171)

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1 疑問を持たずに学ぶことはできない

まったく疑問を感じないということは、鵜呑みにしたのか、理解不能なのかのどちらかしかありません。疑問を持たない人は漠然として捉えているだけで自分のモノにしようとする解釈が存在しません。自分のために何かを得ようとする人は自分から疑問を感じて話を聞くのであって、要点を探しながら聞く、理解できない部分があれば質問するなど、学ぶということに対して主体性が存在します。疑問すら持たないことをただただ聞いていてもそれは時間の無駄にしかなりません。

2 疑問が生じたときは学ぶ意志があるということ

学ぶ気がなければ疑問は出てきません。吸収しようという意識がなければ、考えるという行為は発生せず、質問を組み立てることができないのです。裏を返せば自分が少しでも疑問を感じたところというのは、学ぶ気があるということになります。その疑問を少しずつでも解消していくことで学びが発生していくなら、どんどん質問は出てくるはずです。そういった意味で、自分にムリヤリ疑問を見出すことは嫌いなものを好きになろうとするプロセスなのかもしれません。

3 疑問を質問に変えるプロセスは考えなくていい

自分の中にある疑問が的確に質問にならないといったことは起こりえます。それは疑問に思った対象への認識が興味の段階で知識が存在しないときに良く起こります。ハードルが高くて質問できないのは本末転倒です。よく分からなくても何となく質問することはできるはずです。それが回答者への失礼、周囲への配慮、自分の無知への恥ずかしさという理由が疑問を解消することよりも先行するなら、教育というものは存在する意味がありません。真の指導者や教育者は、あなたにとって、いい答えを『選んで』出してきてくれるはずです。

4 疑問は学べば学ぶほど増えてくる

ある程度知識がついてくれば、教えてもらえなくても自ら答えを模索することができます。そうなればさらに質問が増えてきますし、質問の数が揃えば、自分が何が分からないかが良く見えてきます。回等してくれる人に対しても的を得た質問を選ぶこともできるようになりますし、的確な質問された場合は明確な答えが出てくるので、学ぶ側からしてもより多くを得られることになります。そしていつしか疑問は自分で解決できるようになります。そうなれば、学んだことは自分の血肉になっているということであり、今度は教える側にも回ることができるようになります。

5 教育者も疑問によって教育される

質問で得られることは、答える人の持つ経験や知識のうちの一部分です。その一部分を問われれば、新たな視点で経験や知識を再確認することにもなります。新しい知識や経験を持って再考、推敲することで、それらをさらに上の段階に昇華させることができるのは質問による対話の効用とも言えます。質問は、人生が豊かなものにしてくれます。臆することなく質問しましょう。問いで世界はどんどん広がっていきます。


大疑は大進すべし、小疑は小進すべし、疑わざれば進まず。
朱子

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