sadadadの読書日記

読書した本のまとめ、読後所感、考えたこと



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チャレンジしているうちは失敗はない - 失敗に向き合っていくためにすべきこと

失敗は、恥ずべきことであり不名誉なことである。常に多くを求めて完璧を求めることは、体裁、プライドの保持や自身の成長にとって大切なことかもしれません。しかし、そんな失敗に厳しく、少しのミスでも許されない環境においては副作用もあることを認識しておく必要があります。それは、失敗から学ぶことよりも失敗しないことを優先させ、生産性のない後ろ向きの努力に傾倒するということです。石橋を叩いても渡らず、誰が渡るのかを横でじっと見ているような人が増えればどのようになるのかはご想像のとおりです。



回復力~失敗からの復活 (講談社現代新書)

回復力~失敗からの復活 (講談社現代新書)

失敗しないことを求める人たちの考え方

失敗しないことを声高に求める人たちは、自らの失敗に対しても殊更に敏感です。常に安全な位置にポジションをとり、安全圏から石を投げてきます。彼らにとって失敗しないさせないは、自分の安全圏を守るためでもあるのです。自分の安全圏(優位な位置)を確保するため、失敗の影響が自らに及ぶことを恐れているのです。そのような人は、保守的なゼロサムの中の相対的な考え方でしか物事を見ていません。そもそも、非難したところで本人が改める意識がなければ何の意味もありません。

失敗から得られるもの

失敗に向き合わず、すぐに蓋をして、水に流すような行為は、『失敗から学ぶ』ということを放棄しています。確かに失敗の影響を回避すれば、一時的にその場をしのげるかもしれませんが、根本的な解決には繋がりません。同じことが再び起ったときはもちろん、二次災害、三次災害にも拡大しかねません。俯瞰した視点で失敗を自身のものとして受けとめて、原因を分析し、今後の方針まで導き出せば、失敗の影響を直接的に局限する方法も、間接的に潜在的な要素にも目をむけることもできます。

よい失敗をするために必要なもの

そもそもチャレンジに失敗すれば烙印が押され、再起できないような環境では誰も前にでるはずがありません。困難で難しいことに対して前向きに取り組む人を増やしていくには、その前提条件に『免責』という担保が必要です。七転び八起きを支えるためには、失敗した人にも新たなチャンスを与えられ、再起が可能になるという保障、つまり失敗に寛容な土壌が必要なのです。リスクをとる人に対して、免責の土壌を皆で支え、実りを分け合うという方が全体として効率的ですし、たとえ失敗したとしても、その経験は誰かの次のチャレンジの踏み台にもなるからです。

失敗に向き合うためにすべきこと

失敗を非難するだけでは、何の意味もありません。失敗は引き受けてこそ、初めて意味を持つのです。失敗を受け入れ、失敗に対して何ができたかを、常に考え続けること、そしてそのような環境を皆で形成していく意識を持つことができるようになれば、多くを学び成長につながるのだと思います。失敗に寛容になるために、まずは失敗に対する自分の意識や感情を第3者的に見てみましょう。そして、自分の意識や感情に真正面から向き合いましょう。寛容さとは器です。器を広げるには、自分をコントロールすることから始まります。

世の中に失敗というものはない。チャレンジしているうちは失敗はない。あきらめた時が失敗である。 稲盛和夫