sadadadの読書日記

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黄色いおじさんから学ぶジョージの育て方

世の中、「やる気がない」、「たるんでいる」、「気合いが足りない」などなど、失敗すれば数々の叱責を受けます。しかしながら失敗は叱責されることで、減らすことができるのでしょうか。むしろ叱責を受け、失敗しないように注意しようとすればするほどに緊張し、硬くなり、より失敗を誘発する、また失敗そのものを恐れて保守的になり挑戦をしなくなると考える事もできます。この世の中で、ミスしない人はいません。どんなベテランであっても油断すればいつでも失敗する可能性があります。本当に失敗しなくなるためにはどのようにすればいいのか。それは、黄色い帽子のおじさんが教えてくれます。

おさるのジョージ(4冊セット) 第1集

おさるのジョージ(4冊セット) 第1集

1 絶対に怒らない

怒ると感情が先走り、的確に物事を捉えることができなくなります。そして、自分の感情をぶつけても相手に自主的な改善を求めるだけであり、それはまず図られることはありません。本当に失敗した原因を分析するにあたって感情はむしろ不要です。考えるべきは、次に失敗しないようにするために、『自分が』なにをするかであり、『相手に』何を自覚させるかです。

2 改善策を提案する

冷静になり詳しく観察して、何故失敗したのかを様々な側面から分析していくと、失敗はその人個人的な問題に起因するものと、それ以外の要因が複雑に絡み合っていることが分かります。失敗しやすい環境の中で、個人的に責めるのはナンセンスです。まずは、失敗しにくい環境作りから行い、改善を図っていかなければ、同じようなミスを様々な人が繰り返すことになります。その次に、個人的なエラーを起こす要因についてそれぞれフォローしていく必要があるのだと思います。

3 すぐには直らない

指摘すれば、次には必ずミスを起こさないなどということは絶対にありません。人間がミスを起こす要因は、その人の特性や習慣が引き起こしているものが多く、これは改善するにはかなりの時間を要します。性格を180度変えることなど不可能に近いので、ここに注力することはあまり賢いとはいえません。注力すべきは、特性や習慣をフォローする仕組みの導入であり、行動基準にそって動くように誘導するのが建設的といえます。

4 初めから完璧を求めない

成長曲線では、当初は緩やかな上昇軌道を描きます。ほとんど変化の無い状態にイライラするかもしれません。しかしながら、曲線の終盤になれば飛躍的に上昇を始めます。大切なのは、延びる時期まで辛抱強く『待つ』ということです。失敗を繰り返しても、成長曲線から外れなければいずれ花開きます。初めから完璧を求めず、失敗をすることが「あたりまえ」であるぐらいの気持ちで見守ってやることが大切なのだと思います。

5 なにより愛情をもつ

黄色い帽子のおじさんは、ジョージことを誰よりも考えています。そして、何よりジョージのを愛しています。愛情をもって育てれば、おさるでも絵はかけるようになり、自転車をこげるようになり、歌が歌えるようになるのです。ジョージの成長は、黄色い帽子のおじさんが持つ愛情によって無限に育まれているのだと思います。

教育で大切なのは「詰め込む」ことではなく、「引き出す」ことである。
船井幸雄