世の中は分ければ分けるほど楽しめる
ラムシン、マルシン、ヒウチ、クラシタ。あまり聞いたことないような名前だと思いますが、実はこれ全部、牛肉の部位の名前です。昔は肉といえばカルビ・ロース・タンぐらいしかありませんでしたが、最近になって希少部位という高級肉が出てきているのです。そんな希少部位と呼ばれている肉は、そもそも昔から存在はしていました。ただ、いままでカルビやロースなどの一部分として取り扱われていて、切り出されることもなく定義されていなかっただけなのです。
- 作者: 斎藤一人
- 出版社/メーカー: サンマーク出版
- 発売日: 2009/11/24
- メディア: 単行本
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1 細分化すれば深く味わうことができる
肉は生産地によっても微妙に味が変わりますが、カットの仕方やサイズの方が大きく味に影響するそうです。つまり、希少部位は、どういう食感が生み出されるかをより深く考え、様々な部位ごとに切り分けた職人の手によって、まさに「切り出された」のです。切り出された概念や発想が新しい世界を作り出したとも言えるのです。分ければ分けるほどに奥が深くなるのはなにもお肉だけの話ではありません。チーズ、ワイン、コーヒー等々、細分化すればより違いを楽しむことができるものは沢山あります。
2 違いが分かる人しか楽しむことはできない
違いが楽しめずに何も感じないのは分けようとしていないからに他なりません。職人はより細分化すること深い世界を作ってくますし、さまざまなソムリエがより深い世界を提案し、堪能させてくれます。同じものでも切り口や見せ方が違えば、世界は変わるのです。分かるということは分けることから始まります。分けるためには知識と技術、そしてなにより切り取る発想が必要です。
3 分けることで新しい世界は作られる
細分化すればするほど、繊細になり、芸術に近づいていきます。そんな芸術を楽しむためにも切り取る力は必要です。微妙な差異を語らうのは実に楽しいものです。世界は分けていけばいくほど面白くなります。今からを楽しむには今を切り分けていくことです。違いを楽しむ「違いが分かる」人は、いつでもどこでも既存のもの切り分けています。
知性が増すにつれ、それぞれの個性を見出すようになる。
凡人にはその違いがわからない。
パスカル