sadadadの読書日記

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旧態システムは新規モジュールを組み込めない

目の前の課題だけに集中して皆がそれぞれに一生懸命にものごとを進めていても、全体のことを十分に考えずに行動してしまえば予期せぬ結果を生んでしまうことは良くあることです。特に現状にそぐわない構造での取り組みは、個々の労力を多大に必要とし目の前の課題を増大させるだけでなく、全体のことを考える余裕すら奪ってしまうことにつながります。そのようなシステムでは問題を誘発しやすく、構造が変わらない限り、いくら人が変わっても同じ行動パターンが繰り返されることになります。問題を生み出している構造そのものを変えるしか不毛な取り組みから逃れることは出来ないのです。

実践するドラッカー【思考編】

実践するドラッカー【思考編】

1 システム思考

このような問題の芽をつみ取るためにシステム思考という考え方があります。この考え方は枝葉末節を取り繕ってやりくりするのではなく、構造に手をつけ問題を生み出している構造そのものを変えることによって問題自体を作り変えてしまうことが出来ます。ただこのシステム思考をするためには、構造を広く深く理解しなければなりません。構造内にある要素間の『関係性』に注目して、システムを形成している「要」を知ることなしに、構造を変えてしまえばそのシステム全体がダウンしてしまう恐れもあります。システムに障ることは少しの力でも大きく個々のモジュールを左右することになることは認識しておかなければなりません。

2 変革は必ず抵抗を生む

あたらしいシステムに移行するに当たっては個々のモジュールの変革も求められます。つまりシステムを変化させようとすると必ずモジュールから抵抗が起こることは必至です。いままでのシステムに併せてモジュールが動きを最適化してきたのですから、梯子を急に外されるようなものですから当然と言えば当然です。ここでモジュールに全面的にシステムを拒絶されてしまっては元も子もありません。モジュール単体では最適化していてもシステム全体で機能しにくくなっている事実を理解してもらう必要があり、その理解を求める努力を忘れてはならないのです。変化に過剰反応させることなく馴染ませるように適応させていくことはシステムを再構築するものとしての責任です。

3 旧態システムは新規モジュールを組み込めない

過去の型を現代に適応しようとする発想のしわ寄せはすべてモジュールにきます。いままでの構造に飲み込まれて能力を発揮できないモジュールが壊れていくのは見るに耐えられません。そうではなく、システム自体に生成・修正・選択を繰り返す自浄機能を持たせることができれば、自らを常に再定義して要の部分を現場で動かせるように作り替えることができるようになります。そういった設計ができれば、ピラミッド型伝言ゲームをすることなしに問題を現場で排除でき、モジュールの最適化がシステムの最適化をサポートするようになります。そうなればシステム自体もダイナミックに変化していけるようになります。そういった設計ができるのはシステムの中にいる人ではなかなかやりにくいのだと思います。



伝統的な労働力体制の下にあっては、働く人々がシステムに仕えたが、
知識労働力体制の下では、システムこそが働く人々に仕えなければならない。
ドラッカー

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